“お金を増やす仕組み”を知らずに損していませんか?
はじめに:貯金だけでは足りないと思ったら読むべき制度
「投資ってリスクがあるし、難しそう」──
そう思って避けてきた人も多いと思います。
でも今、銀行にお金を預けているだけでは、ほとんど増えません。
むしろ、物価が上がる分だけ“目減り”していくのが現実です。
そんな中で注目されているのが、「NISA(ニーサ)」と「iDeCo(イデコ)」という2つの制度。
実はこれ、税金面で“得をする”投資の仕組みなんです。
NISAとは?(少額投資非課税制度)
NISAの基本概要
NISA(少額投資非課税制度)は、一定額までの投資による利益が“非課税”になる制度です。
投資で得た配当金や売却益に税金がかからないという大きなメリットがあります。
特に2024年からは「新NISA」に刷新され、年間最大360万円まで非課税投資が可能に。
資産形成を始めたい初心者にも、非常に有利な仕組みといえます。
ただし、非課税とはいえ「損をしない」わけではないため、制度の特性と注意点をよく理解したうえで活用しましょう。
NISAを始める前に知っておきたい5つのポイント
NISAは税制面で大きなメリットがある制度ですが、いくつか注意点もあります。以下のポイントを押さえてから始めることで、後悔のない資産運用が可能になります。
- 元本保証ではない
NISA口座で購入する商品は投資商品です。価格が上下するため、元本割れするリスクがあることを理解しておきましょう。 - 非課税枠の再利用はできない
一度使った非課税枠は、その年のうちに売却しても復活しません。慎重な運用計画が大切です。 - NISA口座は1人1つまで
NISAは複数の金融機関で同時に口座を持つことができません。開設先はよく比較して決めましょう(変更は年1回可能)。 - 商品選びは自己責任
同じ投資信託でも、手数料(販売手数料や信託報酬)が高いとパフォーマンスが落ちる場合があります。低コストの商品を選ぶのが基本です。 - 損益通算や繰越控除ができない
NISA口座内で出た損失は、課税口座と合算して税金を調整することができません。リスク管理がより重要になります。
新NISA(2024年〜)の主な特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 日本在住の18歳以上 |
| 非課税期間 | 無期限 |
| 年間投資枠 | 最大360万円(積立枠120万円+成長枠240万円) |
| 生涯投資枠 | 最大1,800万円(うち成長枠1,200万円) |
| 対象商品 | 株式・ETF・一定の投資信託など |
非課税って、実際どれくらいお得?
たとえば、NISAを使わずに10万円の利益が出た場合、
約2万円が税金として引かれ、手取りは8万円になります。
でもNISAなら、その10万円まるごと手元に残るんです。
長期的に見れば、この差は非常に大きくなります。
2つの投資枠の違い
積立投資枠(年間120万円)
- 長期・分散・低コストな投資信託が対象
- 毎月自動で積み立てる形式
- いわゆる「つみたてNISA」の進化系
成長投資枠(年間240万円) 現在こちらを運用中
- 株式やETFなどを一括購入もOK
- 自由度は高いが、自己判断がより必要
- 短期〜中期の運用も可能
iDeCoとは?(個人型確定拠出年金)
iDeCoの基本概要
iDeCoは、自分でつくる“老後資金の私的年金”です。
最大の特徴は、「掛金が全額、所得控除になる」=節税効果が非常に高いこと。
しかし、iDeCoは個人で始める制度ですが、会社員の場合は勤務先に「書類の記入」をお願いする必要があります。
申請の手間は少しかかりますが、節税メリットが非常に大きいので一度相談してみるのがおすすめです。
会社員がiDeCoを始める場合の注意点
- 「事業所登録」と「加入資格の確認書類」の提出が必要
→ 加入申込時に「事業主の証明書類」を会社に書いてもらう必要があります。
- 就業規則などでiDeCoが禁止されていないか要確認
→ 一部の企業では制度としてiDeCoを導入していないこともあります。
- 企業型DC(企業年金)に加入している場合は制限あり
→ 加入していてもiDeCoと併用できるケースはありますが、掛金の上限が低くなります。
iDeCoの主な特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 原則20歳〜65歳のすべての人 |
| 掛金の上限 | 月額12,000〜68,000円(職業により異なる) |
| 投資対象 | 投資信託・定期預金・保険商品など |
| 節税ポイント | 掛金全額が所得控除/運用益も非課税 |
| 引き出し制限 | 原則60歳以降まで引き出せない |
どれくらい節税になるのか?
たとえば年間24万円をiDeCoで積み立てた場合、
年収500万円の人なら、年間約4〜6万円の節税効果が見込めます。
NISAとiDeCoの違いを比較
| 比較項目 | NISA | iDeCo |
|---|---|---|
| 主な目的 | 資産形成(自由に使える) | 老後資金の準備(引き出し不可) |
| 税制メリット | 運用益が非課税 | 掛金の所得控除+運用益非課税 |
| 流動性 | いつでも引き出せる | 60歳まで原則引き出せない |
| 投資枠 | 年間360万円 | 月額12,000〜68,000円 |
| 向いている人 | 初心者・中級者向け | 節税意識が高く長期運用できる人 |
SMR-labの視点:どう使い分けるべきか?
NISA → “今のお金”を育てる投資
- 積立で少しずつ増やす
- 流動性が高く、いつでも取り崩せる
- インデックス投資との相性が◎
iDeCo → “未来のお金”を守りながら増やす投資
- 節税効果を活かした老後資金づくり
- 「使えないお金」だからこそ継続できる
- 長期視点・ルール重視の人におすすめ
私は、保険会社の個人年金のシステムを利用しています。(こちらも所得減税が年末調整で行えます。)
よくある質問(Q&A)
まとめ:制度を味方につけて「選べる人生」へ
NISAもiDeCoも、難しそうに見えて、知ってさえいれば使えるシンプルな制度です。
税金が優遇される=“ルール上の正攻法”として国が後押ししている証でもあります。
SMR-labでは、「制度を正しく理解して、自分の未来のために活用する力」を
“現代の基礎教養”のひとつとして捉えています。
また、どちらの制度も利用には証券会社の口座開設が必要になります。

