組織の5原則を「なるほど〜」で終わらせず、実際の現場で活かすにはどうすればいいのか。
ここからは、私自身が実際に試してきた改善アプローチを“素人目線”でお伝えします。
難しい理論やフレームワークは不要。まずは“気づき”から一歩ずつ。
ステップ1:現状を棚卸しする(まずは見える化から)
いきなり仕組みを変えようとするのではなく、「今どうなってるのか」を整理するのが第一歩。
これは本当に地味ですが、やってみると意外な発見があります。
- 誰が何を決めていて
- 誰が何に困っていて
- 誰が誰にどう指示しているのか
ざっくりでいいので、ExcelやGoogleスプレッドシート、メモアプリでもOK。
私はチームメンバーに「最近やりにくかったことある?」と軽く聞いて回るところから始めました。
最初のうちは、週次の1on1記録などがあると分析しやすいです。
ステップ2:何が崩れているかを“原則”に照らしてみる
問題は見えてきたけど、どう整理する?
そんなときに便利なのが5原則のフレームワークです。
- 指示が毎回バラバラ → 命令一元化の崩れ
- 責任はあるのに権限がない → 責任権限の不一致
- 何でも自分に報告が来てパンク → 統制範囲オーバー
こうやって、「今の課題」を原則に当てはめるだけでも、次に取るべき行動が見えてきます。
所感:フレームがあるだけで混乱が整理されて楽になります。私も最初は「権限って誰にあるんだ?」と混乱してました。
組織の5原則:ざっくり図解
| 原則名 | 概要 | よくある崩れ方 | 影響 |
|---|---|---|---|
| 責任権限の一致 | 責任と権限はセットであるべき | 責任はあるのに決定権がない | 部下の不満・責任のなすりつけ |
| 命令一元化 | 指示は一人の上司から出すべき | 複数の人から別々の指示が来る | 混乱・業務効率の低下 |
| 統制範囲 | 一人の上司が見る人数には限界がある | 管理対象が多すぎる | 抜け漏れ・マネジメント疲弊 |
| 専門化 | 業務は適切に分業し、専門性を高めるべき | 何でも屋にさせられる | 属人化・スピード低下 |
| 権限委譲 | 定型業務は部下へ任せることで組織の力を伸ばす | 上司が何でも抱え込み or 丸投げだけする | 育成機会の損失・信頼関係の崩壊 |
ステップ3:すぐできることから手をつける(順番が大事)
改善はマラソンです。一気にやると挫折します。だからこそ、「いまこの瞬間からできること」を選ぶことが重要です。
- 「この業務の指示はこの人だけにしてください」と周知する
- SlackやTeamsなどのチャットで、指示が混在しないよう専用スレッドを立てる
- マニュアルを1つだけ作って、試しに部下に任せてみる(作るところから任せてみるのもあり)
「やった感」が出る工夫を。私はToDoリストをチームで共有して、「1個できた!」を見えるようにしました。
ステップ4:日々の業務の中に改善を組み込む
改善は“イベント”じゃなく“習慣”にしないと続きません。
だからこそ、「いつもの業務の中に、さりげなく組み込む」のがコツです。
- 毎週の定例MTGで「今週の指示ミスあった?」を振り返る
- 新しい業務が出たら、すぐにマニュアル化の候補としてリスト化
- 役割分担を図にして壁に貼っておく(物理でもOK)
「できてるつもり」が一番こわい。だからこそ、繰り返し確認できる仕掛けが必要でした。
ステップ5:「文化」にするには巻き込みがすべて
最後に大事なのが、一人で頑張りすぎないこと。
仲間と一緒に「ウチの組織、どうしたらもっとよくなるかな?」と考え続けることが、何よりの改革になります。
- 5原則のプリントを壁に貼っておく(昭和っぽいけど意外と効く)
- 月1の軽い振り返りで「何かモヤったこと」を共有
- 小さな成功を見つけたら、しっかり褒めてみる
「やらされ感」から「自分たちで良くしてる感」になったとき、チームの雰囲気は一気に変わりました。
まとめ
「組織をよくしたい」と思ったとき、つい完璧な仕組みや制度を探してしまいがちです。
でも実際の現場で効果を発揮するのは、ちょっとした違和感に気づく力と、それに向き合う勇気ある一歩です。
責任と権限のズレ、指示の食い違い、育たないチーム──。
これらの問題は、派手な改革よりも、一人ひとりの“気づき”と“対話”の積み重ねによって変わっていきます。
今日から、何か大きなことを始める必要はありません。
まずは、チームの誰かにこう聞いてみてください。
「最近、ちょっとやりづらいなと思ったことある?」
その一言が、組織改善の第一歩になるかもしれません。
そしてあなたが感じたその違和感は、組織が変わるサインです。
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