はじめに
Googleスプレッドシートで特定のデータの位置を調べたいときに便利なのがMATCH関数です。この関数は、指定した範囲から検索条件に合致する値を探し、その位置を返します。MATCH関数を使うことで、データ検索や参照が簡単になり、INDEX関数などと組み合わせることで、さらに柔軟なデータ操作が可能です。
この記事では、MATCH関数の基本から、実際に役立つ応用方法までを実例とともに解説します。
MATCH関数とは?
MATCH関数は、指定した検索値がデータ範囲のどこにあるかを見つけ、その位置(インデックス)を返す関数です。この位置情報を使って他の関数でデータを取り出したり、条件に合ったデータを探したりすることができます。
MATCH関数の基本構文
=MATCH(検索値, 検索範囲, [一致の種類])
● 検索値: 見つけたい値を指定します。
● 検索範囲: データの範囲を指定します。この範囲内で検索が行われます。
● 一致の種類(オプション): 1(近似一致)・0(完全一致)・-1(逆順の近似一致)のいずれかを指定できます。
MATCH関数の基本的な使い方
まずは、MATCH関数を使って特定のデータがどの位置にあるかを確認する基本的な例を紹介します。
実例1:リストから値の位置を取得する
データ例
名前 |
---|
田中 |
鈴木 |
佐藤 |
中村 |
このリストから、「佐藤」が何行目にあるかを調べるには、MATCH関数を使用します。
=MATCH("佐藤", A2:A5, 0)
結果
- 結果: 3
「佐藤」はリストの3行目にあります。
MATCH関数の応用例
MATCH関数は、他の関数と組み合わせることで、さらに強力なデータ検索ツールとして活用できます。ここからは、MATCH関数を使った応用例をいくつか紹介します。
実例2:INDEX関数との組み合わせで動的にデータを参照
MATCH関数は、INDEX関数と組み合わせると特定の条件に基づいたデータ参照が簡単にできます。たとえば、顧客名を指定して、その顧客の「部署」を自動で取得したい場合に役立ちます。
データ例
名前 | 部署 |
---|---|
田中 | 営業 |
鈴木 | 開発 |
佐藤 | サポート |
中村 | 総務 |
この表で、名前「佐藤」に対応する部署を取得するには、次のように設定します。
=INDEX(B2:B5, MATCH("佐藤", A2:A5, 0))
解説
- MATCH関数で「佐藤」が何行目にあるかを取得し、その行にある部署をINDEX関数で取得します。
結果
- 結果: サポート
実例3:動的なデータ範囲で条件に基づいた位置を取得
MATCH関数は、動的なデータ検索にも適しています。たとえば、売上データの中で特定の金額がどこにあるかを動的に検索できます。
データ例
日付 | 売上 |
---|---|
2023/01/01 | 500,000 |
2023/01/02 | 600,000 |
2023/01/03 | 550,000 |
2023/01/04 | 700,000 |
売上が「550,000」の位置を取得する場合
=MATCH(550000, B2:B5, 0)
結果
- 結果: 3
「550,000」の売上は3行目にあります。
実例4:複数条件での検索位置を取得
MATCH関数とIF関数を組み合わせると、複数条件を用いたデータ検索も可能です。
データ例
社員ID | 名前 | 部署 | 年齢 |
---|---|---|---|
101 | 田中 | 営業 | 30 |
102 | 鈴木 | 開発 | 35 |
103 | 佐藤 | サポート | 28 |
104 | 中村 | 総務 | 40 |
たとえば、「営業」部門に所属する30歳の社員が何行目にいるかを確認するには
=MATCH(1, (B2:B5="営業")*(D2:D5=30), 0)
解説
- IF関数で「営業」かつ「30歳」の行を探し、その行番号を取得します。
結果
- 結果: 1
30歳の「営業」部門社員は1行目にいます。
実例5:配列数式を使った高度な検索
MATCH関数をARRAYFORMULAと組み合わせると、配列全体の検索を動的に行うことが可能です。これにより、特定の範囲内で複数の条件を満たすデータの位置を一括で取得できます。
データ例
月 | 商品ID | 売上額 |
---|---|---|
1月 | A001 | 100,000 |
2月 | B002 | 150,000 |
3月 | A001 | 200,000 |
4月 | B002 | 180,000 |
商品ID「A001」の売上が200,000である月を確認したい場合は、次のようにします。
=ARRAYFORMULA(MATCH(1, (B2:B5="A001")*(C2:C5=200000), 0))
結果
- 結果: 3
「A001」が売上「200,000」を達成したのは3行目です。
MATCH関数のメリットと注意点
メリット
注意点
● 範囲内の重複値には注意: 範囲内に同じ値が複数ある場合、最初の一致位置のみ返されます。
● 一致の種類に注意: 完全一致を指定してもデータ形式の違いによりエラーが発生することがあるため、検索するデータ形式を確認しましょう。
MATCH関数の実践活用まとめ
MATCH関数は、Googleスプレッドシートでのデータ検索に非常に便利なツールです。INDEX関数と組み合わせることで、条件に合ったデータを簡単に取得でき、柔軟なデータ参照が可能になります。特にデータの管理や分析を効率化する上で、MATCH関数の使い方をマスターしておくと役立ちます。
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