はじめに
データを整理する上で、特定の文字や区切りによってデータを分けたいことが多くあります。GoogleスプレッドシートのSPLIT関数を使えば、テキストや数値のデータを特定の文字で簡単に分割することができ、複数のセルにデータを自動的に展開できます。たとえば、名前と住所が1つのセルに入力されている場合に分割する、複数のキーワードがカンマで区切られたリストを個別に分けるなど、さまざまな場面で活躍します。
この記事では、SPLIT関数の基本的な使い方から、応用的な使い方まで、実例を交えながら詳しく紹介していきます。
SPLIT関数とは?
SPLIT関数は、指定した文字列を区切り文字に基づいて分割し、分割した結果を複数のセルに配置する関数です。分割する基準として、スペースやカンマ、ハイフン、スラッシュなど、さまざまな区切り文字を指定できます。また、複数の区切り文字を指定することも可能です。
SPLIT関数の基本構文
=SPLIT(文字列, 区切り文字, [空のセルを無視する], [複数区切り文字を1つとして扱う])
● 文字列: 分割したい文字列やセルの値を指定します。
● 区切り文字: データを分割する際に使用する区切り文字。
● 空のセルを無視する(オプション): 空のセルを無視するかどうか(TRUEまたはFALSEで指定)。
● 複数区切り文字を1つとして扱う(オプション): 区切り文字が複数連続している場合に1つの区切りとみなすかどうか(TRUEまたはFALSEで指定)。
SPLIT関数の基本的な使い方
実例1:カンマで区切られたリストを分割
まずは、シンプルな使い方を見ていきます。カンマで区切られたリストをそれぞれのセルに分割します。
データ例
商品名 |
---|
ノートPC,タブレット,スマホ |
このデータから、カンマを区切り文字として個別のアイテムに分けるために、SPLIT関数を使用します。
=SPLIT(A2, ",")
結果
商品名 | 商品2 | 商品3 |
---|---|---|
ノートPC | タブレット | スマホ |
SPLIT関数は、指定した区切り文字に基づいてテキストを分割し、それぞれの要素を横に展開します。このように、複数の要素を持つデータを個別のセルに整理することが可能です。
SPLIT関数の応用例
SPLIT関数は、シンプルなリストの分割だけでなく、さらに複雑なデータの分割や整形にも役立ちます。ここでは、実務でも活用できる応用例をいくつか紹介します。
実例2:住所データから郵便番号、都道府県、市区町村を分割
日本では住所が一つのセルにまとめられていることが多いですが、これを郵便番号、都道府県、市区町村に分けるためにSPLIT関数を活用します。
データ例
住所 |
---|
〒123-4567 東京都新宿区新宿 |
このデータから、〒マークとスペースを区切り文字として住所を分割します。
=SPLIT(A2, " ")
結果
郵便番号 | 都道府県 | 市区町村 |
---|---|---|
〒123-4567 | 東京都 | 新宿区新宿 |
実例3:複数の区切り文字を指定して分割
SPLIT関数では、複数の区切り文字を指定することも可能です。たとえば、メールアドレスの一覧から、アカウント名とドメイン部分を分けたい場合に役立ちます。
データ例
メールアドレス |
---|
tanaka@example.com |
「@」と「.」を区切り文字として使用し、アカウント名、ドメイン、トップレベルドメインに分割します。
=SPLIT(A2, "@.")
結果
アカウント名 | ドメイン | トップレベルドメイン |
---|---|---|
tanaka | example | com |
実例4:日付や時間のデータを分割して管理する
日付や時間を個別に分けて管理したいときもSPLIT関数が便利です。たとえば、日付と時刻が一つのセルに記録されている場合、これを分割して管理することで、データを整理しやすくなります。
データ例
日時 |
---|
2023-10-01 14:30:00 |
このデータから、スペースを区切り文字にして日付と時刻に分割します。
=SPLIT(A2, " ")
結果
日付 | 時刻 |
---|---|
2023-10-01 | 14:30:00 |
実例5:SPLIT関数と他の関数を組み合わせた応用
SPLIT関数は、他の関数と組み合わせることで、さらに柔軟なデータ処理が可能です。たとえば、SPLIT関数とARRAYFORMULAを組み合わせることで、複数行のデータを一度に分割できます。
データ例
商品リスト |
---|
ノートPC,タブレット,スマホ |
冷蔵庫,洗濯機,エアコン |
上記データの各行のアイテムを個別のセルに展開するには、次のように設定します。
=ARRAYFORMULA(SPLIT(A2:A3, ","))
結果
商品1 | 商品2 | 商品3 |
---|---|---|
ノートPC | タブレット | スマホ |
冷蔵庫 | 洗濯機 | エアコン |
SPLIT関数のメリットと注意点
メリット
注意点
● 分割する要素数が一定でない場合の対応: データごとに要素数が異なる場合、データ整理が難しくなることがあるため、事前のデータ確認が必要です。
● 自動的に横方向に展開される: SPLIT関数は横にデータを展開するため、隣接するデータがあると上書きされる可能性があります。
SPLIT関数の実践活用まとめ
SPLIT関数は、Googleスプレッドシートでのデータ整理に非常に便利なツールです。特定の区切り文字でデータを分割することで、複数のセルに展開しやすくなり、データ管理の効率が向上します。他の関数と組み合わせて使用することで、さらに柔軟にデータを整理できるため、日常業務や分析に役立ちます。
コメント